WordPressテーマのライセンスと商用利用|GPL・複数サイト・制作代行の条件

規約書の上に置かれた大きな鍵とチェックマークのイラスト

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GPLを採用するWordPressテーマなら商用利用できますが、複数サイト・制作代行・クレジット表記の条件はテーマごとの規約で決まります。

この記事では、GPLの基本、100%GPLとスプリットライセンスの違い、主要テーマの条件の早見表、違反や非正規入手のリスクまでを整理します。

※ライセンス・価格は2026年10月11日時点で各公式サイトの記載を確認したものです。規約は改訂されることがあるため、利用前に必ず最新の内容をご確認ください。本記事は法的な助言ではありません。

目次

WordPressテーマとGPLの基本

WordPress本体はGPLv2(またはそれ以降)で配布されており、WordPress.orgはテーマもGPLを継承するとの立場です。

GPLで認められていること。利用、改変、再配布、商用利用・販売。配布するときはGPLを引き継ぐ

GPL(GNU General Public License)は、ソフトウェアの利用・改変・再配布・商用利用を認めるライセンスです。有料で販売することも認められています。ただし、改変したものを配布する場合は、その配布物にもGPLを引き継ぐ必要があります。

WordPress.orgは、テーマやプラグインはWordPressの派生物にあたると考えています。一方で、この点に法的にグレーな領域(legal grey area)があることも認めています。

また、WordPress.orgが2009年に公開した記事では、テーマのPHPはGPLである必要があるが、画像(アートワーク)やCSSはGPLでなくてもよいという考え方が示されています。この考え方が、次に説明するライセンス形態の違いにつながっています。

テーマを作って販売する側の視点は、WordPressテーマ販売の現実と方法でまとめています。

100%GPLとスプリットライセンスの違い

100%GPLはテーマのすべてのファイルがGPL、スプリットライセンスはPHPだけがGPLで、CSSや画像などは制作者独自の規約に従う形態です。

100%GPLとスプリットライセンスの違い。100%GPLは全ファイルがGPL(SWELL・JIN:Rなど)、スプリットはPHPのみGPL(TCD・SANGOなど)
項目100%GPLスプリットライセンス
GPLの範囲テーマのすべてのファイルPHPのみ(CSS・画像などは対象外)
主な例(2026年10月時点)SWELL・Snow Monkey・JIN:R・Emanon・CocoonTCD・SANGO・AFFINGER7
確認すべきこと更新キー・サポートの条件複数サイト・制作代行・再配布の条件

TCDは規約で「いわゆるスプリットライセンス」を採用すると明記しており、SANGOは規約でPHPはGPL、CSS・JavaScript・画像は制作者に帰属するとしています。このように、JavaScriptも制作者の権利としている例があります。

なお、100%GPLのテーマでも何でも自由になるわけではありません。アップデート用のライセンスキーやサポートを受ける条件は、それぞれの規約で決まっています。

主要テーマのライセンス早見表

自分のサイトで複数使えるか、制作代行に使えるかは、次の表のようにテーマごとに異なります。

スクロールできます
テーマライセンス形態自分の複数サイト制作代行の条件主な注意点
SWELL100%GPL複数サイトで利用可規約第9項に条件あり(代理購入なら代理登録・認証のうえアカウントをサイト所有者へ譲渡など)ダウンロードURLの第三者への開示は禁止
Snow Monkey100%GPL複数サイトで利用可受託先で登録者のキーを使うのは可。保守契約の終了時・引き継ぎ時は使用を終える2024年8月1日から更新にライセンスキーが必要。キーの開示・共有は禁止
JIN:R100%GPL(全ファイル)1回の購入で複数サイト(数の制限なし)。同居する家族も利用可規約に記載なし(事前に公式へ確認)第三者から再配布されたものはサポート対象外
Emanon100%GPL複数サイトで利用可。ただし更新用ライセンスキーは1サイトに1つ必要受託制作が目的なら代理でキーを購入・導入できる。制作のサポートは受託制作ライセンス(1サイト30,000円・税込)が必要更新用キーはPro Plus 年4,500円・Premium Plus 年12,000円(税込)、1年有効
SANGOスプリット(PHPはGPL)本人が主に所有するサイトなら複数可請負は1クライアントごと再配布と、購入者本人が主に所有するサイト以外での利用を禁止
AFFINGER7スプリット(PHP以外のファイル)購入者自身が所有するサイトなら複数可第三者のためのサイト作成は規約で禁止(第6条(4))—
TCDスプリット(PHPのみGPL)自己所有サイトなら数の制限なし原則不可。有償で請け負う場合はテーマごとに特別ライセンス(税込33,000円・3年間)が必要。販売価格未満での請負は不可配布・転売・貸与・譲渡は禁止。無断の制作代行には違約金の定めあり

※2026年10月時点で各公式の規約・販売ページを確認した範囲です。「(税込)」は公式に税込と明記されている価格だけに付けています。

このほか、GOLD BLOGは自己所有サイトで利用可とされています(サイト数の明記はありません)。制作代行には開発者ライセンス(36か月・33,000円・税込)が必要で、ライセンスなしの制作代行は規約で禁止されています。各テーマの詳細はSWELLレビュー、Snow Monkeyレビュー、JIN:Rレビュー、SANGOレビュー、TCDレビューで解説しています。

無料テーマは商用利用できる?

GPLを採用する無料テーマなら、広告収入のあるブログや企業サイトなど、商用のサイトでも使えます。

雑貨店のレジ横でスマートフォンを見てほほえむ女性のイラスト
  • Cocoon:公式に「100%GPL」と明記されており、規約(2022年9月7日発効)では改編・加工も自由とされています。商用サイトでも使えます
  • Lightning:WordPress.orgの公式ディレクトリに掲載されています。公式ディレクトリはGPL互換のライセンスであることが掲載の条件です

テーマが無料か有料かと、そのサイトで収益を得てよいかどうかは別の話です。気になる場合は、テーマの公式サイトでライセンスの記載を確認しておくと安心です。無料テーマの選択肢は無料テーマのおすすめで、無料と有料の違いは有料テーマと無料テーマの比較で紹介しています。

複数サイト・制作代行で使うときの注意

自分のサイトを増やすだけなら多くの主要テーマで追加購入は不要ですが、他人のサイトを作る制作代行では条件が大きく分かれます。

制作代行の前に確認する4点。規約に代行の記載はあるか、特別なライセンスが要るか、アカウントの名義、引き継ぎ後も更新できるか

自分のサイトを複数運営する場合

早見表のとおり、SWELL・JIN:R・SANGO・TCDなどは、購入者本人(自己所有)のサイトであれば複数サイトで使えます。ただしEmanonのように、テーマ自体は複数サイトで使えても、更新用のライセンスキーが1サイトに1つ必要なテーマもあります。

サイトを増やすと、その分だけ毎年の費用がかかるテーマもあるということです。サイト間でテーマを移す手順はテーマの使い回し・移行ガイドで解説しています。

他人のサイトを制作する場合(制作代行)

制作代行の扱いは、テーマごとに次のように違います。

  • SWELL:代理購入する場合は代理で登録・認証し、アカウントをサイト所有者へ譲渡します。代理購入しない場合は、所有者から正当な権限を得て、所有者が更新できる状態を保ちます
  • Snow Monkey:受託先で登録者のライセンスキーを使うことは認められていますが、保守契約の終了時や引き継ぎ時には使用を終えます
  • TCD:第三者のサイト制作は原則できず、有償で請け負う場合はテーマごとに特別ライセンス(税込33,000円・3年間)が必要です
  • AFFINGER7:第三者のためのサイト作成は規約で禁止されています
  • JIN:R:規約に制作代行についての記載がないため、請け負う前に公式へ確認するのが確実です

Web制作を仕事にするなら、こうした条件の違いもテーマ選びの判断材料になります。有料テーマの全体像は有料テーマのおすすめをご覧ください。

クレジット表記は消してよい?

クレジット表記を消してよいかはテーマの規約次第なので、フッターの表記をCSSで隠す前に、まず規約を確認してください。

クレジット表記を確認する手順。利用規約を開く、クレジットの記述を探す、設定画面の項目を見る、なければ開発元に聞く

WordPress.orgの公式ディレクトリでは、テーマに入れてよいクレジットリンクは、Theme URIかAuthor URIへのリンク1つと、WordPress.orgへのリンク1つまでと決められています。

Cocoonでは「フッター」タブの「クレジット表記」で、よく使われる形式を選ぶか、独自表記(HTMLで自由に入力)にできます。なお、今回確認した主要テーマの規約には、クレジット表記についての記載はありませんでした。確認の手順は次のとおりです。

  • テーマ公式サイトの「利用規約」「ライセンス」のページを開く
  • 「クレジット」「コピーライト」「フッター」に関する記述を探す
  • 記載がなければ、テーマの設定画面に表記を変更する項目があるか確認する
  • どちらにも見当たらない場合は、消さずに開発元へ問い合わせる

ライセンス違反・非正規入手のリスク

主なリスクの一つは、アップデートとサポートを受けられなくなることです。規約によっては違約金の定めもあります。

リスク規約に書かれている例(2026年10月時点)
更新を受けられないSnow Monkeyは2024年8月1日からテーマの更新にライセンスキーが必要
サポートを受けられないJIN:Rは第三者から再配布されたものをサポート対象外としている
違約金を求められるTCDは無断の制作代行に特別ライセンス料の3倍×テーマ数、その他の違反に60,000円の違約金を定めている
規約違反になる行為SWELLのダウンロードURLの開示、Snow Monkeyのキーの共有、TCDの配布・転売・貸与・譲渡など

フリマアプリなどで売られている有料テーマは、正規の購入者として扱われないため、アップデートやサポートが受けられないおそれがあります。更新が止まったテーマを使い続けると、セキュリティ上の不安も残ります。

テーマは公式サイトまたは公式の販売ページから入手し、購入時のアカウント情報を手元に保管しておくのが安全です。

よくある質問

無料テーマで作ったサイトで広告収入を得てもいいですか?

GPLを採用するテーマなら、アフィリエイトや広告を載せた商用サイトでも使えます。たとえばCocoonは公式に100%GPLと明記されています。

デスクで背伸びをしてひと息つく男性のイラスト

購入した有料テーマを友人と共有できますか?

SANGOは再配布と購入者本人が主に所有するサイト以外での利用を、TCDは配布・転売・貸与・譲渡を規約で禁止しています。また、SWELLはダウンロードURLの開示、Snow Monkeyはライセンスキーの共有を禁止しています。JIN:Rは同居する家族なら利用できますが、友人には正規の購入を案内するのが安全です。

テーマを改造して配布できますか?

GPLの部分は改変・再配布が認められていますが、配布するものにもGPLを引き継ぐ必要があります。スプリットライセンスのテーマはCSSや画像などがGPLの対象外で、TCDは規約で配布を禁止しています。

自分のサイト用にテーマを改造するのは自由ですか?

GPLのPHP部分は、私的に改変することが認められています。TCDのように、規約でも改変を認めているテーマがあります。

フリマで買った有料テーマでもアップデートできますか?

正規の購入ではないため、アップデートやサポートは期待できません。Snow Monkeyのように更新にライセンスキーが必要なテーマもあります。

まとめ: 商用利用より「複数サイト・代行・表記」の規約を確認

GPLを採用するWordPressテーマなら商用利用はできます。購入・利用前に確認したいのは、自分の複数サイトで使えるか、制作代行に使えるか、クレジット表記を変えてよいかの3点です。

窓辺で書類を読んでほほえむ女性のイラスト

条件はSWELL・Snow Monkey・TCDなどテーマごとに違い、規約は改訂されることもあります。迷ったら公式の規約を読み、それでも分からなければ開発元へ問い合わせてください。自分に合うテーマ選びには、下の無料診断もご活用ください。

テーマの役割や種類など基本の全体像は、WordPressテーマとはで解説しています。

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